アキレスと亀はいったいなにがおかしいのか

アキレスと亀という有名な話がありますが、アレは一体なにが間違っているんでしょうか。
一応、アキレスと亀の簡単な説明をしておくと、スピードの異なる二つ物体の遅い方を速い方より前方から運動させると、遅い方に速い方が永遠に追いつけないという話。アキレスが亀のスタート地点にいたときは亀はさらに前方にいる、そこに辿り着いたときもやはり亀が前にいるというパラドックスです。
アキレスも亀も等速直線運動であると仮定すると、速度の異なるふたつのものが時間と共にどれほど進んだかグラフとしてプロットすれば、必ずどこか一点で交わるため、アキレスは亀を追い越せるという話になります。しかし、亀の言ってることが間違っているわけではありません。
アキレスがいる地点と亀がいた地点を直線で結ぶと下のようになり、この直線は有限回の操作では交点と交わることはありません。

しかし、時間的に見ると二本の直線は交わっているので必ずどこかで亀は追い越されるはずです。なぜ速さの計算では追い越せるのに進んだ距離をはかる操作では追い越すことができないのでしょうか。
Wikipediaによれば、「上の操作が完了するまでの時間を表す無限級数はある値に収束する」ためアキレスはやはり亀を追い越すことができるようです。要するに無限回の操作が必要な場合でも、それを行うのにかかる時間は無限ではないと言うことです。こんなどうでもいい話にも極限の考えが応用できるんですね〜。ってまだ数III習ってねぇぞ。
それにしても屁理屈のように見えるこの話もあながち間違ったことは言っていないのでなんとなく信じちゃいますね。